Romantic Night in Guanajato

と言っても街自体が映画のセットから抜け出してきたかのようにロマンチックモード全開なだけで、わたしの状況がそうかというとかなり男らしく強気で過ごしております。

というのも、サンクリストバルではシャワー中に男性従業員に部屋に入られ(人の気配を感じてバスルームのドアを開けたら彼と目が合った!後で断固抗議!)、プエブラでは親切なおじさんが道案内をしてくれたはいいけど、去り際に胸をさわられ(唖然としている間に人込みに消えてった)、自分に隙があるのかと悶々としながら7時間バスに揺られ5年前に来たことのある思い出のグアナファトに到着。

21時。
グアナファト時間はゆったりと流れていて屋台の活気で溢れています。
セントロでバスを降りて、ザックをかついで歩いていると、私設"観光案内所"からおじさんが出てきて近くのホテルを紹介してくれました。

フロントのおじさんは彼を見るなり、"おい、宿代いくらだってこいつに言ったんだ?"と私の方はまったく見ずにぶっきらぼうに彼に尋ねました。

"1800円だ"と答えると、ホテルの男性は"ふん、まあいいだろう"と言いたそうに頷きました。

前後に大きな荷物を担いでいるのに通された部屋は3階の奥の奥の暗い部屋。1800円払う価値の全くない暗い穴ぐらのような部屋。(わたしはなめられている)とはっきり分かった瞬間。
すぐに踵を返して、"ADIOS!"と後ろも振り返らず二段抜かしで階段を降りてホテルを勇ましく出ました。
後ろから二人が慌てて追いかけてきて、"1200円でいいよ!"という声を頭の後ろで聞きながら、(金額じゃない、気持ちの問題なんだよ)、とつぶやきながらひたすら前を見て早足で広場を横切りました。

女一人で旅をしていることがわかると途端に態度を変えてくる人がいます。得することも多いけど、気を付けなければいけないことも多いです。でもこんなことを繰り返しながら日々考えるヒント、知恵を絞るヒントをもらっているのかもしれないとも思います。外国にいるんだからなおさらのこと。

時計を見るともう22時をまわってしまいました。30分ほど街を歩き回りましたがどこも、"彼女〜、うちに泊まんなよ(ははは)"という掛け声をかけてくるおじさんたちで完全無視状態。でもそんな時、前方に地元住民と思われる奥様二人組を発見、すかさず声をかけました。

"あの、この辺におじさんだけで溢れていないホテルないでしょうか?できれば女性スタッフだけの宿をさがしてるんですけど"と伝えると、最初はキョトンとした顔でこっちを見ていましたが、詳しく経緯を説明すると、"心当りがあるからわたしに付いてきなさい!"と小道をてくてく歩き出しました。

連れて来てもらったのは外観からはまったく宿だとわからないローズ色の壁で囲まれた場所でした。
通っている教会のお友達が経営しているそうです。
オーナーのシルビアさんは寝ていたようですが、素敵な笑顔で迎えてくれました。
通されたのは可愛らしい4つもベッドのある大きなお部屋。トイレもシャワーも付いていてタオルも貸してくれて私一人なのに一泊1000円です。パンパンとした大きな虎猫も猫より小さいわんこもいて和みます。何よりも場所が隠れ家ぽくって気に入りました。連れてきてくれた方、そしてシルビアさんに感謝の気持ちでいっぱいに。ぐっすりこの夜は眠りました。

本当に困っている時に必ずいつも助けてくれる人が現れます。
そういうとき、"スムーズにいかないこともたくさんあるけれど、自分が通るべき道を歩いている"、と感じます。

自分でそう思い込んでるだけかもしれないけれど。

明日は25時間バスの旅。
枕も購入して準備万端です。どんな旅になるでしょうか。