今に生きるか、死後に生きるのか。

ティム・バートンストップモーションアニメ、「コープス・ブライド」を観てきました。訳すと、「死体の花嫁」というオドロオドロしいタイトルになってしまいますが、これでもれっきとした純愛映画なのです。

Wikipediaによると、「ストップモーション・アニメーション(Stop motion animation)とは、静止している物体を1コマ毎に少しずつ動かして撮影し、あたかもそれ自身が動いているかのように見せる映画の撮影技術。アニメーションの一種であり、SFXの一種。コマ撮り(コマどり)とも言う。」この映画も、1、2秒のシーンに12時間かけて撮っているそうです。制作期間は10年間!

生者の世界 →どんより。同じルーティンをこなす毎日。活気のない世界。疲れている。お金や名誉のことを考える。尽きぬ悩み。

死者の世界 →ガイコツなのに、表情があり体全体で感情を表現している。活気ある暮らし。ジョークを言い合い、お互いを労わりあう余裕が(永遠に)ある。

なんだかドキリとしませんか?

コープス・ブライド(死体の花嫁)は言います。
「死んでしまった体はたとえ炎にふれても何も感じないけれど、(実物の心臓はないけれど)私の心は痛むし、涙は落ちるの」と。
肉体は朽ちても、魂はずっとそのままにその人の中に残るのだ・・。

私の亡くなった祖母の言葉を思い出しました。
「どんなにお金持ちでも、立派な肩書きを持っていても、死んでしまったら持っていくことはできないんだ。残るのはその人が周りの人に残した言葉や態度だけなんだ。」(そういえば、おばあちゃんはいつも男言葉で簡潔に話してたなあ)。

祖母はもうこの世には居ない。でも、彼女がもう15年以上前に話してくれた言葉は私の中に今も生きている。これからもずっと・・・。

この映画の主人公は3人いるのですが、どの人も真っ直ぐで、柔軟性があって、無邪気で、そして自分の運命を受け入れる勇気を持っている人たちでした。

大人のための、ストレートな純ラブストーリーです。

映画があまりも優しいから、思わず映画館で泣いてしまいました。