Aimless Wondering

mau 2005-12-24

アレハンドラは、家族とクリスマスを迎えるためにジャイジャイへ。
クリストフは、ガールフレンドの家族とお祝いをするとかでサンティアゴへ。

誰も居なくなった部屋で、私はずっと観たかった「モーター・サイクル・ダイアリーズ」を鑑賞しました。

ゲバラが旅に出たのは23歳の時。チャーミングな人だったんだなあ。
1年以上もの旅の間に、彼は自分が思っていた日常、現実の世界が、他の国、場所、人によっては違うのだということを、純粋までにまっすぐな目で見つめながら旅をしていきます。

チリ北部、鉱物資源以外何もない広大なアタカマ砂漠をさすらう夫婦がゲバラにたずねます。「私たちは仕事を探すために旅をしている。そして、警察はコミュニストである私たちを追っている。あなたたちはなぜ旅をしているの?あなたたちも仕事を探しているの?」

それに対してゲバラと彼の友人アルベルトは、「いいえ違います」。
「じゃあ、どうして旅をしているの?」
「私たちがそうしたいと思ったから旅をしています」。
その答えの意味を解りかねて二人で顔を見合わせて困惑する夫婦。
「神のご加護がありますように・・・」。男の顔に残り続ける何かを訴えるような目。

この体験は、彼にとっての「真実」、「現実」、そして「彼自身」が変わり始めるエピソードとして描かれていて、私にはこのシーンが一番印象に残っています。

旅の途中で出会う人々、同じスペイン語でも異なるアクセント、使い方、多種多様に異なる生活様式、差別や偏見・・・想像することもできなかった現実に出会う瞬間の積み重ね。
なぜゲバラが革命へと向かったのか・・少し理解できたような気がします。


人は旅に出てみて、なぜ自分が旅に出たのか本当の理由を知るのかもしれません。