星に願いを 

英会話教室で働いて、今月で2年7ヶ月になりました。
週末などを抜かすと、あと9日間働くのみとなります。いろんなことを学んだ貴重な時間でした。


大変な時期もあったけれど、生徒さんや講師に励まされて今まで頑張ることができましたし、学校では私の今までの留学や旅の経験を活かすことができました。

会社では、常勤外国人講師6名と日本人スタッフ2名という、日本に居ながらマイノリティーという特殊な職場環境の中で、今まで考えたことのなかった出来事にぶつかったり、反対に外国人講師たちからポジティブな力を多く得ました。
時には、私には当たり前だった「日本」に対して、疑問視しながら改めて見つめなおす機会を持つこともできました。
英語での議論が盛り上がってくると、上手く伝えられなくて悔し涙を流したこともありましたが、今ではそんなことも全て宝物になりました。
また、本音で気持ちをぶつけ合ってきちんと意思を伝えあうという当たり前のことを、いかに自分が避けてきたかという現実にも向き合いました。
ちゃんと声を大にして叫ばないと、気持ちは伝わらないよ!と講師たちからは日々教えてもらいました。

ある時から、「君は日本人だから」とか、「日本人は(日本では)」と言われるたびに、「ニホンジン」ってどういう人のことをいうんだろう?って考えさせられてきました。
一体何を持って日本人というのだろう?
日本人の両親から生まれ、この国で生まれ育った私は、正真正銘の日本人なのですが、だからといって、「日本人」かと問われるとあまりにも私は日本の文化や歴史を知らないということに愕然としました。情けないことですが、彼らに突っ込んだ質問をされるたびに、「うう、ちょっと待って!」と言いながら慌てて本を開いてみたり、インターネットで調べ始めるわけですから聞いた方もびっくりしているかもしれません。こんなことならワシにもできるわい!と思っていたりして。当たり前のように日本人でいたことに対して疑問を持ってみるということは、視点を変えると外国人の人はこういう風なところに興味を持ったりするのだな、と個人でありながら複数の目を持つことになるように思います。


詳しくは書きませんが、会社にはかなり不満はありました。
そして、その波に対抗しようとすると圧力がかかりました。
お金を稼いで利益を得るということは、会社である以上避けては通れませんが、何でもかんでもお金、お金、お金!と言ってくる上部と、話し合いを重ねてきました。英会話学校は、利益を得ることと同じように生徒さんの語学力の向上のために力を注ぐべきで、その結果がまた新しい生徒さんを連れてきてくれると私は信じていました。一人ひとりの目標を達成するために何を私たちはできるかを考えて動くことは当然だと思っていました。でも会社はそうではなかった。

溝はどんどん大きくなっていきました。共有したい嬉しい報告も、「それがいくらになったか」という数式の結果を報告し合うだけ、いかに生徒を集客するかということに固執をして、その後の話は全く会議では話し合われませんでした。

やがて自分が、そしてこの会社がどこへ向かおうとしているのか分からなくなってしまいました。私の出した結果は、私がどう頑張っても、どう改革を試みてもここでは駄目だ、自分にもっと力を付けて、ここで出来なかったことをやろう、でした。

そのために、今の自分に足りない部分を人種を超えて世界に生きる人々から学び直したいと思いました。今の自分は精神的にも肉体的にも弱ってしまっていて、力不足に感じているということもあります。
今此処に存在する意味を、みんなに感謝しながら誇りを持って生きていける仕事をしたいと心から思いました。幸い、個人的に学校で出会った方々と良い関係を築くことができたので、学校を離れてもずっとお付き合いさせていただきたいと思っています。

今は自分と共通のテーマを持って実際にビジネスを成り立たせている人に会ったり、セミナーへ出かけてみたり、日本のことをきちんと伝えられるようにと改めて日本の歴史や文化について調べたりしています。どれもこれもやらされているのではなく自らの意思で行っていることなので、とても楽しいです。


留学先の選定基準はこんな風に考えてきました。
「治安がある程度良くて、きちんとした語学教育が受けられる首都以外の場所。そして身近に自然がたくさんあるところ」。ちょっと欲張りすぎですが。
最初はメキシコでこの条件を満たすところを探しましたが、なかなか見つけらませんでした。そんな時に、チリ出身でオーストラリア育ちの友人から、同じ条件でチリについても探してみることを勧められました。
詳しく調べてみると、偶然かそれとも必然か、これらを満たす場所と大学がすぐに見つかりました。

私は無鉄砲で無茶苦茶に見えるのだと思いますが、決して今まで続けてきた英語を辞めて、スペイン語に向かうわけではありませんし、英語もこれからずっと続けて勉強していくつもりです。

中南米を何度も旅行してみて、あそこには私に足りないものがごろごろ転がっている場所だと感じています。
強さと、柔らかさと、優しさがある国へ私は今どうしても旅立つ必要があります。
そしてチリでの学びが、帰国してから私にしかできないことを始める上で支えてくれると信じています。


今日はずっとずっと考えていて、なかなか言葉にできなくて、でもとても伝えたかったことを書きました。