やさしいきもち

今日は近所のみなさまに引越しのご挨拶。

私の住む長屋は同じスタイルの棟が9つあって、私以外の人はファミリーで暮らしています。家賃の支払いは町内で小さな酒屋を経営している大家さんに現金で支払います。シャワーの調子が悪かった時も、すぐに駆けつけてノズルを交換してくれたなあ。顔の見える関係は一人暮らしの身としては、心から安心できました。

近所の人たちは人情深くてみんなとても仲良し。よくお天気のいい日は外でお話していました。そして何よりも動物好きです。こんな野良猫の多い町内も滅多にないと思います。まさに此処は野良猫銀座です。

小さな贈り物を持ってご挨拶に行くと、もうみなさんすでにチリに行くことを知っていました。私が挨拶に来ることを予想して反対に私が贈り物をいただいたりして、思わず玄関先で泣きそうになってしまいました。

「この長屋に入ってきたときから、なんか普通の人じゃないと思ってたよ。新しいきれいなアパートがあるのに、こんなボットントイレのあるところに住むんだから。」
「いつかは出ていってしまうんだろうと思ったけど寂しいねえ・・・。」
「家族みんなで応援してるからね!」

傘子地蔵のように、玄関先に誰が届けてくれたのか分からない野菜が置いてあることがよくありましたが、恐らくこの長屋メンバーだったのではないかと今は確信しています。

見えない優しさに守られていたんだなあ。

ちょっぴり風も秋色になって、センチメンタルになる夏の夕暮れです。