世界最大の塩湖、ウユニ(ボリビア)から

Hola!

命からがらウユニに流れ着きました(かなりほっとしています)。

1月18日の午後3時半にラパスを出発して、オルロに午後7時半到着。その後、行商帰りのインディヘナたちの大量の荷物をバスの屋根にも、バスの中にも詰め込んだおんぼろバスに乗り込んで、ウユニを目指しました。到着予定は翌日19日の午前5時。ウユニのバスターミナルには、ツアー会社が迎えに来てくれる予定だったので、9時間バスの中で寝れば到着する予定でした・・・。

ところが・・・・甘かった。

バスの座席は36席しかないのに、人間は45人乗っています。そして通路にも荷物が溢れかえっています。バスの中では席取り争いが始まりました・・・20ボリビアーノで俺に席を譲ってくれ!と叫んでいるおじさんがいます。しまいにインディヘナの女性の座っていた席を強引に奪いました。みかねた他の男性が、その女性に自分の席を譲ってあげていましたが・・・大変な世界です。

走り出して1時間後、バスは道無き道を走行しはじめました。
ほっぺたがぷるんぷるん揺れてます(注>私だけじゃありませんよ。みんなです!)
背骨が折れそうなくらい激しく前後にバスは揺れています。
バスが先に壊れるか、私がへたるかどっちだろう?
こんな時にはアホなことを考えるものです。
途中何度もバスは泥にはまって男性乗客が何人も押して脱出する場面もありました。

そして朝方4過ぎ、バスは完全に停止しました。
窓の外を見ると、濁流の中にバスが完全にはまっています。
う・そ・で・しょう???状態です。
エンジンは完全に水の中にあり、まったく動けない状態です。
そのときはみんな落ち着いていて、「水が引くのを朝まで待ちましょう!」と誰かが叫んで、私も眠りに入ったのですが・・・。

午前8時。
私たちはより深くなった水の中にいました。

インディヘナの女性たちがヒステリックに叫びはじめました。
中にはな泣いている人もいます・・・。

In the middle of nowhere !!!
今バスから脱出したとしても、近くの町まで2時間以上(バスで)かかると言います。

そして正午になりました。
外をみると川の両岸にバスやトラックが20台以上連なっています。
私たちが道?をふさいでいるので通れないのです。
でも何をしているのかというと、のんびりピクニック気分で果物やパンを食べているのです・・・。
助けて〜!とバスの中から相変わらず誰かが叫んでいますが、その人たちもどうしようもないので、ただただ見ているだけです。

そして午後1時。
強制的にバスを降りて向こう岸に渡るようにドライバーから指示されました。
窓からはしごを使って降りましたが、水は私の身長(165cm)で腰までありました。
流れも強く速いので、バスからロープを渡してもらって、ボリビア人男性に手を引かれながら岸にたどりつきました。水着に着替えている人もいたのですが、私はなかったので、無印で購入したスパッツをはき上着をまくしあげ、靴を脱いで川を歩きました。岸に着くと、「ブラボー!!!」と歓声が上がりました。そしてなぜか、「グラシアス(ありがとう)!」と道行く人に言われました・・・。もしかしてこの格好についてお礼を言われている・・・?!複雑な気持ちになりましたが、私も「デナダ!(どういたしまして)」と返しておきました。
(パスはその後で太い鎖をつながれて牽引されました)。

こうしてめでたく地面に座ることができましたが、乗ってきたバスは壊れてしまったので、ウユニまで行く次の手段を考えなければいけません。
幸いたくさんのバスが待っていたのですが、どれも超満員です。でもどうにか交渉してバスの運転手の隣(エンジンの上)に座らせてもらうことになりました。お尻が痛くなりそうでしたが、仕方ありません。

問題は、ウユニに行くにはやっぱりこの川を越えていかないと行けないということです。
午後になってきて少しは水が引いたといえ、やっぱり怖い・・・でも行かねば・・・。

意を決してバスに乗り込み、バスの運転手の子どもと手を握り合って川に突入しました。
左に右にとものすごく揺れましたが、どうにか乗り越えることができました。

その後も、似たような川がたくさんあらわれるので、ずっとドキドキしっぱなしでした。
ドライバーの隣には、アシスタントのような人がいて、「ここはこういう軌道を取れ!」と指示しています。その上、他のバスと競い合いながら走行するので、まるで私はパリダカのレースに参戦しているような気分になってきました。

この調子で3時間揺られて、ウユニに到着したのは午後5時でした。
やれやれ。