ブエノスの住処

今日はブエノス・アイレスでの住処探しをすることにしました。
この街に3ヶ月から4ヶ月間住むことになるので、ちょっと真剣です。

でもまずは腹ごしらえ(そう、またです)。
お友達になったアルゼンチン人のポチャとアルベルト夫妻のレストランへ。
大きくてふかふかのメディア・ルナ(=三日月・・・そう、クロワッサンです)、カフェ・コン・レチェ(ミルク入りコーヒー)と生絞りオレンジジュースをいただきながら、あらかじめ目を付けていた場所を地図でチェック。
帰り際にポチェに、「落ち着いて住めるキッチン付きの物件でおすすめはある?」と聞いてみると、「難しいわねえ。あなたは外国人だから一人でアパートは借りられないし、ホテルでキッチン付きは高いし。そうだ!リナの家に行って聞いてみて!」と日本で言えば、「新潟市豊栄3丁目リナ宅」という正確な番地もリナさんの苗字も分からない住所を教えられたのでした(これで分かるのか?)。

今住んでいるホテルは、通りに面していて朝から晩まで喧しいのです。
ホテルの壁も薄いのか中庭でおしゃべりしている人たちの会話も筒抜け。
夜は耳栓をして寝ています。
さらに、安くて立地がいいためか(1ヶ月2万円位)日本人も30人くらい住んでいます。
お部屋には光が入らなくて昼間もずっと電気を付けっ放しにしなければいけないのも気になりました。どう考えても勉強できる環境ではないのだ(笑)!

ポチェの紹介してくれたリナさん宅に行く前に、あらかじめ調べていた良さそうな物件を2件訪ねました。治安的には申し分ないのですが、一人で共同キッチン付きの場所に住むとなるとトイレ&バスがお部屋に無くても1泊2500円ぐらいしてしまいます。
そして2件とも対応してくれた人たちの印象がいまいちで、これから3ヶ月〜4ヶ月間この人たちと顔を会わせて暮らす自分を想像したら少し気が滅入ってしまったのでした。
第一印象って大切ですね、ほんとうに。

気持ちを切り替えてポチェに教えてもらったリナさんの家を探すことにしました。
なにせ番地をもらっていなくて、苗字も分からなくて「3丁目のリナさん」だけで分かるのか?!と思ったのですが・・・案の定全く分かりませんでした。
でも近所の人に聞いたらあらさっぱり、すぐにわかりました。

教えてもらったのは頑丈な黒い門で中の様子が全く分からない家。
表札もなくて、外側から見ると普通の家にしかみえません。
(ほんとにここ?)辺りを見渡して少し不安になります。
チャイムを鳴らすと、黒いドア上部にある小さな窓があいて優しそうな女性の目が見えました。
「ポチェさんに聞いて来たんですが」と伝えて中に入れてもらってまたびっくり!
内側は木材をふんだんに使ったモダンでありながら暖かい雰囲気の長期滞在型の宿になっていたのでした。宣伝は一切しておらず、紹介でしか場所は分からないようになっているそうです。
こんな世界があったとは驚きです。

リナさんはとっても素敵な人で、部屋を見る前からぜひここに!と思いましたが、基本は2人1部屋のようで、1人で泊まるとなると1泊換算で30ドル・・・これは無理。
私が、「うう〜」と悔しそうに唸っていたら、リナさんが別のお宅を紹介してくれました。

またここも表札も何もなくて、チャイムを押すと目をこすりながらTシャツにパンツ一丁のお兄さん登場・・・(またセクシーな)。ここは彼の両親が所有する家で、やはり室内を改造して長期滞在者に貸し出しているとのこと。ここも存在感のある立派な家具をシンプルに配置してある素敵なお家。タンゴを踊るフロアまで併設されていました。
でも肝心のお部屋の方は5月まで空きがないとのこと。
しょぼーんとしていたら、今度は人生初めての「マテ茶」を出してくれました。
おいしかったなあ。
(マテ茶とは?写真がないと説明をするのが難しいので、このサイトをご覧下さい。またこのマテ茶、なかなか奥が深そうなので(語る人もいる位)もう少し研究をしてご紹介します)。
マテ茶について
彼に紹介をしてもらい、普通の住宅に見える家へと向かったのですが、入り口にはその家のおじさんが私を待っていてくれました。
ベッドルームは少々狭いのですが、バスルームは新しくて清潔です。すぐ上の階のリビングは広々としていて、大きな机があり、共有キッチン、パソコン、洗濯機もあって、その奥には緑で囲まれた広いお庭がありました。そして何よりもこの家の夫婦が、私を心から歓迎してくれている気持ちが伝わってきて15分後にはここに決めていました。

気になる家賃も、旅行者には1泊2500円支払ってもらうそうですが(実際に帳簿を見せてもらいました)、勉強やタンゴの修行で来ている人には特別に1泊900円くらいにしているそうです。最大でも8人しか住めない場所なので、ここもやはり紹介をしてもらったり、以前住んでいた人からの評判を聞いてやってくる人中心になっているようでした。現在は、ドイツ人、アメリカ人、フランス人が住んでいるそうです。
私も早速明日ここに移ることにしました。

今後の予定ですが、3月2日からチリに里帰りして、また12日頃ブエノスに戻ってくる予定です。旅仕様の最低限の荷物しか今は持っていないので、今まで使っていた教材や辞書、季節はこれから(4月以降)秋になっていくので冬物も取りに帰ります。
でも・・・これは言い訳かもしれません・・・すごくチリやチリの友達が恋しいのです。
こんなにチリが特別な国になるなんて思いもしませんでした。
ブエノスを去る頃もきっと同じような気持ちになるんだろうなあ。
そこに住んで友達を作って暮らすということは特別なことなんだなあと改めて感じています。

それにしても・・・セキが止まりません。結核か?!
ブエノスの空気のせいなら悲しい。そしてこの先が心配です。
チリに戻って回復するようなら、かなりその線は確実。さてさてどうなるかな。

アルゼンチンのスペイン語・・・かなり手ごわいです。アクセントや単語がチリスパニッシュと違うことが多くて、苦戦していますが、違いを見つけて楽しんでいます。
これも住んでみないと分からないことでした。
新潟に戻ってスペイン語を教えるときにはこんな違いを知っていることが役立ちそうです。