叩け

パーカッションクラスの日。

気の会う仲間と、手で直接打つタイプの打楽器(ジェンベ、ボンゴ等)を持ち寄って集まるのが毎週水曜日の午前中。
土曜日は、ブエノスアイレス大学が一般の人のために開いているパーカッションクラスに参加している。この日は、ステックを使う打楽器だけを扱う。

先週は中型の太鼓を選んでみたので、今回は鼓笛隊が使うような小さなドラムを選んでみた。まだ自分の好きなサイズ、音が分からないでいるので毎週違う楽器に挑戦させてもらっている。

ウン(1)・ドス(2)・トレス(3)、クワッ(4)・・・・

20人で合わせるドラムの音は圧巻だ。
各サイズのドラムごとに違うリズムを与えられる。

選んでみたものの、小さなドラムは思ったよりも難しい。しかも一番早いリズムを刻まなければいけないのに手がついていかない。スティックを何度も床に落としてしまう。
さらに先生はそこに体全体の動きを取り入れながら音を出すことを要求してくる。えええ?!と言っている時間は無い。できなければ何度も繰り返して練習するだけ。

狂ったリズムを叩く人の前には、すぐに先生がやってくる。

私も例にもれず・・何度も先生に睨まれる。
自分の音と向かいながらも、周りの人の音の変化にも敏感に反応しなければ。
まだまだみんな荒いリズムで、叩き方もバラバラだ。余計なことを考える隙間なんてこれっぽっちも無い。
2時間も続けると顔には汗が浮かび手がしびれてくる。
体は疲れてくるのに、心は空白になる。ランナーズハイ?

どうにかリズムも取れるようになり、体も自然に動かせるようになってきた。

先生が満足げにokサインを送ってくる。

今は一方通行な音たちが、いつかもっとみんなに余裕が出てきたとき、本当のハーモニーを生み出す(はず)。

何でも真剣にやるからこそ、たのしい。