Candle Night

というとロマンチックな響きだけれど、ただ単に停電しただけ。

突然バチバチッとすごい音がして外を見たら、花火が上がってる!?と思ったら電線が切れそうになっていてショートして火花が上がっていた。危ないよ〜。マンションのエレベーターは止まり、内線も通じず、外を見渡すと近所一角真っ暗。

家中のキャンドルをリビングに集めて、みんなでオンセ(おやつ)を食べることにした。

「日本じゃ、こんなときは怖い話で盛り上がるんだよね」と言ったら、怖いもの大嫌いなアレハンドラが嫌〜な顔をした。南米に来てから一度も怪談を聞いたことが無かったので、みんなそういうことには興味が無いのか、そういう話は日本みたいに多くないのだろうと思っていた。
でもそうじゃなかった。静かに聞いていたジャネットの目がキラッと光ったから。

まず私が当たり障りのない日本のお化け話をした。日本のお化けには足がないとかね。
みんな面白がって聞いていた。実は怖い話は私も得意じゃないので、これで終わりになるかと思っていたら、ジャネットがおもむろに話し始めた。

「私、何年か前に引っ越ししたでしょ。あれね、家にお化けが出ていたのが原因なの。」

「10歳のときにパパがあの家を気に入って買ったんだけど、その前に住んでいた人たちが二人続けて突然亡くなったりしたんだって。でもパパがどうしてもここに住もうと言って聞かなかったの。そして住み始めてすぐに、誰かの話し声がしたり、誰もいないのに人の気配を感じたり、ラップ音のようなものを聞くようになったの。」

すると今まで黙っていたジャネットの幼馴染でもあるアレハンドラが、

「いつも遊びに行くと、嫌な気配を感じてた!誰かに見られているような・・・気のせいだと思ってたけどやっぱりそうだったんだ!」

ジャネットは、やっぱりねという顔をしながら更に続けた。

「そしてこれは住んでから分かったんだけど、あの家で昔ある医者が闇で堕胎手術をおこなっていたんだって・・・。庭にはたくさんの・・・。」

そこでキャンドルが揺れた!

みんな寒気がして、ギャーと大声で叫んだ!

その後も、どんどこ出てくる怖い話。もうやめようよ〜。

チリにもお化け話があることが証明されたキャンドル・ナイト。

ああ、やめとけば良かった。眠れなくなるのに。

そんなとき助けてくれるのがアナタ。