「片手だけで拍手はできない」

10月1日のブログに対していただいた皆さんのコメントに心から感謝しています。
より身近な出来事として考えさせられると共に、この問題の複雑さを改めて思い知りました。

現在の日本では、中国政府からの圧力により、チベットの歴史や実態を取り上げるマスコミはほとんどありません。
1日のブログ記載後、「なぜかダライ・ラマをこうして語ることに対して躊躇していた」というメッセージも届きました。気づかないうちに、私たちは敏感に、そして鈍感に流れてこない風を読み、曖昧な物事を否定してしまっているのかもしれません。

現在も進行中のチベットにおける民族、文化、宗教の消滅政策。
民族、文化(過去、未来、自分自身)の否定。
宗教(命をかけて信じているもの、軸)の否定及び無視。

インターネットなどで簡単に情報を得ることのできる恩恵を享受しながらも、膨大な情報の中から本物を見極め、選んでいくという判断は私たち自身にゆだねられているといる危うさの中にいます。

知り、考え、話し合い、見る目、聞く耳を養い、鍛えていくこと。
それが今すぐにはチベットに飛んでいけない私たちに「いまこの瞬間に」できることなのだろうか?
どうしようもない力で頭を後ろの方に引っ張られながら自問自答しています。

自分のこととして世界で起こっていることを捉えて生きていくこと。
見る場所や視点が違えば同じものも全く違うものに見えてしまう危うさを抱えながら。

痛いな。とっても。痛みを本当に分かりあえないから余計に。

わたしたちの想像をはるかに超えた場所に、チベットの人々たちは暮らしていることは事実。

チャイナ・ネット

↑ 正確な情報を得ることができなかったのですが、どうやら中国の新華社通信社の関連会社で、中国インターネット研究会のメンバーである「チャイナインターネットコーポレーション」が配信しているようです。「中国側」からのチベット、日本、世界観を垣間見ることができます。

人間は何のために、人としてこの地球に存在しているのでしょうか。


「片手だけで拍手はできない」(チベットの古い格言)
 

ダライ・ラマ14世/1989年12月10日ノーベル平和賞受賞の際のスピーチ